掛川市の後藤社会保険労務士・行政書士事務所

本日仕事でお伺いしたかれこれ10年近いお付き合いのお客さんが、半年後をめどに会社を解散するとのこと。

この景気情勢の中でも決して数字が悪いわけでもなく、借金もありません。なので最初聞いた時は耳を疑いました。

家族4人だけの小さな会社なんですが、ものすごく高い技術力を持ち、業界超王手の企業の下請をしています。下請に入っている企業でこの規模の会社は異例とのこと。それだけ力が認められていました。

なのになぜ・・実は社長が70歳近くなり年齢からくる体力の衰えに加え、下請と言う立場から何十年間も納期に追われ、ほぼ休みなく働いてきて体が言うことをきかなくなってきた、というのが原因だそうです。

しかし奥さんや息子さん達も働いているので跡を継げばいいと思っていたんですが、この高い技術力が社長でないとだせないというのです。

あまりに仕事が多く（ありがたい話ですが）、家族4人がフル回転で働かなければならず、その一番核となる技術を教えたり伝えたりする時間がとれなかったのです。それぞれの自分が受け持つパートをこなすだけで精一杯だったようで・・

他に引き継いでくれそうな企業も何社かあたりましたが、この技術をそのまま引き継げる会社がなかったみたいです。

本当に惜しいです。周りからもそう言われるそうです。

会社を存続させるということは、次世代への投資の時間が必要なんですね。事業承継の難しさを実感させられました。